最寄駅から徒歩数分。 俺のバイト先である新店舗の目の前。
信号待ちで、車掌の制服を着た三人組が、真新しいコンビニ店舗
を指差して、囁き合っていました。
車掌「こんな所にコンビニが…。夢が広がったなぁ。」
彼らの会話は車内放送並みに、言っている意味が分からない。
さて、新店舗は客層が落ち着いており、ありえないような忙しさを
除けば、結構な良い職場です。
店内でナンパしていた若者も、見事に女性に相手にされず、
不貞腐れて帰って行き、俺は満足です。
振られた理由を、もし本人に教える事があるならば、「気付いて
いないのかも知れないけれど、君は眉毛がマジックで書かれて
いるよ。」と指摘する所なのですが。
それ以外の職場の話としては、バイトの立場ではどちらでも
良い事なのですが、今度の店舗では煙草を扱っていません。
今日、姿を見せた開発本部長は、近所にタバコ屋がある為に、
煙草を販売出来ないとぼやいていましたが、俺にはやはり、
関係のない話です。
しかし本部長は、指をC型に折り曲げ、「これで辞めさせても
いいんだけどね。 実際、開発部って何でもするから。」と、バイトの
前では言ってはならない事を口にしていました。
マルクスに喧嘩を
売っています。
そんな本部長ですが、飲み会の席で、俺も一緒に働いた事の
ある二年次の社員、小西(仮名)さんに投げっぱなしジャーマンを
掛けられそうになった事は、有名な話です。
投げっぱなしといった
形で伝わったのは、恐らく、ある程度、足が浮いていたからでしょう。
真実をこの目で見たかったものです。
今日は本当に、とても忙しい日でした。
前の店舗で常連だった、リンゴさん(もしくは元祖)が、従業員や
他のお客さんに向かい、「知ってるか?
俺ってキチガイなんだよね。」
と話し掛け、対応に追われた一日でした。
お客様、このイカレタ世界にようこそ。
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